子どもが泣くには、もう一つ違った意味があります。それは、つらい思いをしたとき慰めを求めて泣く時です。例えば、お姉ちゃんの分までおやつが欲しいかったけどもらえなかったとか、公園で遊んでる時お友達に叩かれて悔しい思いをするとか、転んで痛い思いをするとか。やりたいことがうまくできないのでイライラしたとか、頼みの綱のお母さんが下の子の出産のために入院して寂しい思いをしたとか、あるいは、お母さんのおなかから生まれてくるときに苦しい思いをしたとか…。
こんなふうに例をあげていけばきりがないほど、日々つらい体験を次から次へと乗り越えながらたくましく成長していくのが子どもです。つらい思いをさせないのに越した事は無いですが、つらい思いをまるでさせまいとしたら、子ども温室に入れて育てるしかなくなってしまいます。
さてそれでは、子どもがそうしてないと訴えていた時、親はどうしたら子どもを元通り、元気いっぱいの幸せな子どもに立ち直らせることができるでしょうか。
慰めを求める泣きは、「早く何とかして」と訴える要求のサインとしての泣きではありません。気持ちがすっきり晴れるまで、「辛かったよ」と泣き続けて、気持ちを聞いてもらうこと自体が要求なのです。
そう、だから、大事な事は、子どもが慰めを求めてきたら、子どもを優しく抱き寄せて、子どもの訴えに耳を傾けながら、気持ちがすっきり晴れるまで、存分に泣かせてあげたら良いのです。
えっ、たったそれだけの事?そうです。あまりにもあっけないと思うかもしれませんが、まるでコロンブスの卵のように、本当に大切な事は、たったこれだけのことです。でも、ただそうするだけで、心に受けた傷は癒され、ふたたび元気に立ち直ることができるのです。同時に、癒しを助けてくれたお母さんへの信頼が増して、2人の仲がますます親密になります。
つらい思いをしたそのつど泣き切って、訴え切って元気になる。これが人類に備わった、自然治癒力の働きです。悪いものを食べたとき下痢をして体外に出してしまうなどと同じような、せっかくの自然治癒力の働きを妨げてはなりません。
自然が促すままに存分に泣くと言うのは、とても気分の良いものです。ほんとですよ、気持ちが実にさっぱりします。ところがお母さんにしてみると、どんな理由からであろうと、かわいい我が子が泣き続けていると、身を切られるように辛くなり、いてもたってもいられない気持ちになるので、つい自分の感情に溺れて、早く泣きやませようとしてしまいます。慰めてやらなくてはとは思いながらも、一方では「どうしたの」とオタオタしたり、「大丈夫よ」と早くなだめたくなりますが、それでは子どもの辛さが残ってしまいます。
かわいい我が子に泣かれるのが辛くなるお母さんの気持ちはお察ししますが、でも、あくまでそれはお母さんの気持ちです。自分の気持ちに引きずられていないで、子どもの身になってとことん慰め抜いてみて、「今泣いたカラスがもう笑った」と言いたくなるような、子どもの爽やかな笑顔をぜひ体験してみてください。
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